3月25日、手術当日。
病院の朝は早いです。
朝、6時頃に目が覚めます。
手術当時の朝6時からは、絶食、絶飲水。
6時までは水を飲めるので、前日のブドウ糖たっぷりの栄養ドリンク紙パック1個を5時半頃に起きて飲んで、6時前にも水を飲めるだけ飲みました。
8時頃に看護師さんが来て毎朝の血圧測定と検温。
体温は37度くらいだったような。血圧も異常なし。
3月19日の説明では、お昼頃に手術と聞いてましたが、
看護師さんが来て状況説明。
本日の手術、私は2例目になるそう。
それで、1例目の手術(鼻中隔湾曲症の手術ではなさそう)が難しい手術のようで、3時間ぐらいかかりそうとのこと。
ということで、手術開始時刻は遅れそうです、という話でした。
焦っても仕方がありません。それなら時間がくるまで待ちましょう、とう気持ちでベッドにあぐらかいて座ったり、横になったりと。
ラジオも聞く気がせず。
10時40分頃だったでしょうか、また看護師さんが来て、
「1例目の手術が早く終わるようなので、もう手術室に向かいます。準備をしてくだい」
えぇ
ということで、事態が急に動いて、あたふた。
パジャマから、事前にもらった手術着に着替えます。
それと、エコノミークラス症候群予防のため、医療用のハイソックスを足からふくろはぎまで伸ばして履きます。
看護師さん1人に付き添われて、手術室に向かいます。
今、いる病棟は15階で、手術室があるのは4階。
下りのエレベーターの中で、「今、ものすごい緊張してます」「大丈夫ですよ。」みたいな会話をして、向かいました。
手術室に入って、最終確認。
名前、生年月日、これからやる手術は何の手術ですか? というのを答えます。
「歯がグラグラしてないですか?」
変なこと聞くなぁ。いや大丈夫です。
手術台に横になって、左手に麻酔などの管をつなぎます。
「麻酔科の〇〇です。よろしくお願いします。」「あ、宜しくお願いいたします。」
「はい、これから眠くなってきますよー」「はい、分かりました」
あと、何か会話をしたような覚えがありますが、それから記憶がありません。
この辺は、体験者さんのブログと同じです。
麻酔で寝てました。
夢も見てません。
「はい、手術終わりましたよー。」
声かけられて、目が覚めました。
ベッドのまま、上りのエレベーターに乗って15階の病室に戻りました。
病室のそれまであったベッドは移動してあって空いていたんだと思います。
空いた場所にそのまま入りました。
今思うと、手術台と思ってたのは、ベッドだったのか?
よく分かりません。
それで、気がつくと、酸素マスクをつけてました。あと左腕に点滴も。
時刻は何時頃だったのか、14時頃だったでしょうか。
手術が何時に始まって、何時に終わったのか、よくわかりません。
看護師さんからは、「17時になったら、今つけてる酸素マスクを外します」とのこと。
それと、「鼻は絶対にかまないでくださいね。」
分かってます。それどころじゃないし。
この4人部屋、酸素マスクの機器も取り付けられるようになっていて、
学校の化学の授業なんかで使うようなビーカーみたいなものの中に水が入っていて、
それがボコボコ泡を立てて、そこから管が伸びて私の口につけられた酸素マスクに付いてました。
手術自体は全身麻酔でまったく痛みも感じませんでした。
手術後、病室に戻ってきてからの状況は、
苦しい
もう、これに尽きます。
とにかく、苦しい、つらい、苦しい、つらい、苦しい、つらい。
鼻の穴に綿球が入っていて鼻で息できない、口呼吸になってるんですが、
これがほんとに苦しい。
実は入院前に、「口呼吸になるって、どんなだろう?」と思って試しに口だけで呼吸をしてました。
もう、30秒も持ちません。すぐに鼻で息しちゃうんですね。
口呼吸はつらいんだな。
そんな漠然とした、事の重大さにまったく気づいていない状態でした。
それが今、術後、現実に起きていて、
口呼吸が本当につらい。
体験者さんのブログを読むと、どの方も手術後の口呼吸のつらさを書いているので、
自分も頭の中では分かっていましたが、これほどまでにつらいとは思ってもいませんでした。
ただ、他の体験者さんがブログで書いていたような鼻自体の痛みは、幸いなことにありませんでした。
時間が経つのも遅く感じられます。
今、どれくらい時間が経ったんだろう。
そう思うのですが、携帯を見る気力もない。
私は、横向きに寝ることが多く、この時も仰向け、右、左、また右と、
同じ態勢でいることが苦しい。
それと、一番困るのがトイレです。
術後、1時間、2時間経つと、トイレに行きたくなってきました。
ナースコールを押して、事情を説明すると、尿瓶でしてくださいとのこと。
そうか、尿瓶か。
ベッドにこぼれないように注意しながらして、また看護師さんに来てもらって捨ててもらいました。
尿瓶での小用は3回か、4回か。
17時を過ぎたので酸素マスクを外してもらいました。
口元が自由になったのですが、苦しさはあまり変わりませんでした。
口呼吸がこんなにつらいとは。
夜、18時になって、他の3人の患者さんは夕食ですが、手術直後の私はもちろん食事なし。
この間に飲水テスト(というか飲めるかどうか試しただけ)をして、水を飲むのが問題ないので、コップに水を入れて、ほんの少量を口に含みましたが、それだけでも大変な作業でした。
19時頃だった、執刀医のT先生が病室に来られました。
何の話をしたかちょっともう忘れましたけど、御礼を言ったような気がします。
21時頃になって、ほとんどが消灯になって、もう寝る時間なのですが、
眠れません。
口呼吸のつらさ、術後の点滴、いろいろな薬がまわってて、それも効いてるのか、
まったく眠くなく、意識ははっきりしてます。
この頃になると、トイレには、自分で点滴棒を自分で押しながら入って、小用をできるようにはなってました。
体験者さんのブログで、「手術当日、ものすごく辛かったのだけど、体が疲れて寝てしまった」というのを読んでたので、自分もそのうち疲れて寝るだろう、早く寝たい、意識を失いたい、と、体が疲れるんを待ってました。
だけど、寝れません。
ずーっと、辛い状態が続いているんだけど、頭だけは冴えていて。
いろんなことを考えてました。
こんなに口呼吸がつらいとは、思わなかった。
これじゃぁ、退院しても仕事が出来ないんじゃないか。
というか、会社に行けるだろうか。
というか、退院して、この病院から新橋駅まで、歩いて行けるだろうか。
新橋から池袋まで30分、電車に乗っていられるだろうか。
手術、しなければよかったかなぁ。
別に副鼻腔炎ではなかったし、前の耳鼻科で正常の範囲内と言われたしなぁ。
こんなに辛いとは。手術しなければよかったぁ。
これは今、現実なんだろうか?
口呼吸、もう辛いです。
入院直前、ある体験者さんのブログで、「濡れマスク」が大変役に立ったというのを読んで、
ネットで探しましたが、今のコロナのご時世、どこも売り切れでした。
ですので自分で、マスクを水道の水で思いっきり濡らして口に当ててみると、
マスクがないよりはちょっと、ほんのちょっと楽になります。
マスクの水が口元を濡らしてくれるのがいいいのかもしれません。
でも、これも時間が経てば乾いてきます。
普通のマスク状態だと、また息苦しくなるので、
また洗面台(4人共用。トイレの真向かいにあって自分の所からは歩いて3、4歩の距離)
に行ってマスクをびしょびしょに濡らします。
一晩中、これの繰り返し。
夜中の2時、3時頃になってたと思います。
夜勤の看護師さんが時々来て、新しい点滴に付け替えるんですが、
もう、我慢できずに「眠れません。睡眠導入の点滴をしてください」とお願いしました。
「それは先生の許可がないと使えないんです」とのこと。
そうですか、では仕方がない。
今夜は一睡もできないだろう。
徹夜の状態で、術後1日目になるが、大丈夫だろうか。
そんなこと考えながら、起きていたら、
先ほどの看護師さんが来て、「眠剤の点滴をしますね」
え、よかった、もしかしたら眠れるかもしれない。
3時、4時頃なんでしょうか、眠剤の点滴が始まってから、しばらくして、眠りました。